第1回 尾瀬沼 〜一面に広がる水芭蕉を求めて〜

アイリスガーデニングドットコム
  1. アイリスガーデニングドットコム
  2. 豊ちゃんの山紀行
  3. 第1回 尾瀬沼 〜一面に広がる水芭蕉を求めて〜

豊ちゃんの山紀行

尾瀬沼 〜一面に広がる水芭蕉を求めて〜

尾瀬は「夏の思い出」という歌にあるように、多くの方が「水芭蕉」を見て、大草原や沼の淵を歩くのが主体です。
6月中旬には「水芭蕉」、7月初旬から中旬の「ニッコウキスゲ」、9月末から10月中旬の草紅葉(クサモミジ)と沼や尾瀬ヶ原を取り囲む木々の紅葉が見事です。
私は中でも初夏の水芭蕉が大好きで、この季節の尾瀬には度々足を運んでいます。
それでは私が尾瀬で出会った植物を当時の風景とともにご紹介します。

尾瀬(おぜ)は、福島県・新潟県・群馬県の3県にまたがる高地にある盆地状の高原です。広大な地域の中央には燧ケ岳がそびえ、南側に尾瀬沼、大江湿原が、西側 には東西6キロ南北2キロの広大な尾瀬ヶ原が広がり至仏山へと続きます。季節ごとに姿をかえる大自然の美しさに魅了され、毎年多くの人が訪れています。
(出典:福島県檜枝岐村役場ホームページ)

1994年6月8日(水)
越後口 沼山峠を越えて尾瀬沼へ行ってきた。
高崎インターを6時30分に出発、小出インターチェンジからR352とシルバーライン経由で奥只見湖ダムサイトへは9時前に到着した。駐車場から沢や山を見たり、山ウドや蕗を取ったりしながら10分も登れば奥只見湖の船着場だ。予定通りの船に乗り、銀山平船着き場に到着するとバスが待ち構えていて10分ほどで出発する。ここからはおよそ1時間で沼山峠のバス停に到着する。
バス停の所から10mも登るとしっかりした木道になっていて峠の所まで続く。峠から湿原までは壁土の道になってしまうが天気も良く足元は全く汚れない。バス停から50分で長蔵小屋まで歩いて行けるコースなのでスカートをはいた気軽な中年の観光客も多い。

ハンドバッグにお弁当を入れたビニール袋だけという出で立ちは、「雨が降ってきたらどうするのだろうか?」「あんな靴では粘土質の土の上に雨が降ったら、転びやしないだろうか?」と他人事ながら心配してしまう。 大江湿原の端には山桜が咲き始め、地面には「ショウジョウバカマ」が咲いている。 尾瀬沼を遠くに見ながらしばらく平原を行くと 今度は黄色の「リュウキンカ」が咲いている。さらには 「水芭蕉」もちょうど良い見頃だ。カッコー鳥が鳴いてさわやかな風!足元には様々な花が咲き、まさに「夏の想い出」シーズンだ。

尾瀬沼を一周すればもっともっと楽しめるのだが、帰りの船が無くなってしまうので、今日は大江湿原と尾瀬沼の見物だけ。長蔵小屋でゆっくり休み少々賑やかだが尾瀬の感触を味わえれば良いだろう。
R352の 尾瀬口から 御池までの山岳道路端は 山菜の宝庫で入山権の有る人が「ゼンマイ小屋」で生活をしながら採取している、その付近を過ぎるとゼンマイは極端に少なくなり、何人かがフキやタケノコを取っている。道の脇には所々に湿地や池があって、ここにも水芭蕉が咲いていていた。

今回は、大江湿原で「リュウキンカ」を、尾瀬沼で「水芭蕉」を見て、長蔵小屋でゆっくり休んでから帰途に就くという快適なコースだった。歩く距離が少ないので、初心者にも楽しめるコースだと思う。
只見湖の船着場を17時に出発し、高崎に戻ったのは19時だった。

尾瀬は季節によっていろいろに楽しむことが出来る。今回は6月であったが、残雪があったり雪崩のために土砂が道路にあったりしてR352が通行できない時期は、只見湖を船でゆっくり渡るのも楽しい。木々の葉は青々として初夏を感じさせるのに、沢は残雪で真っ白というコントラストを楽しめる。また、10月中頃なら紅葉の美しさを堪能できる。観光船は30分コースで、お客が集まり次第に出帆するということだ。

尾瀬沼にて 筆者

尾瀬沼にて 筆者

回想

思い返せば、私が初めて尾瀬に行ったのは、1965年のことだった。
当時は沼田駅まで夜行列車で行き、大清水を朝5時ころから登り始めるとちょうど三平峠あたりで7時頃になるという行程だった。
暗夜から登り始めてあたりがだんだん明るくなることで清々しい夜明けを感じることが出来たものだ。

尾瀬沼の渡し船 1966年

三平下に降り尾瀬沼のほとりまで来ると、船があった。この船は長蔵小屋方向をショートカットして尾瀬沼の沼尻にいけるもので、沼の半周歩きが省略できるものだった。もちろん、尾瀬沼の景色を堪能したい人やゆっくり歩いて回りたい人は、長蔵小屋・浅湖湿原・沼尻と湖畔を回り込みながら歩くことで、水芭蕉を楽しむことが出来た。最後は白砂湿原・白砂峠から降りて行って田代に着く。尾瀬ヶ原の東の端である田代に着くと一気に視界が開ける。そこは見渡す限りの湿原で、はるか遠方に至仏山が見えていたのを覚えている。

途中、登山道の道幅は狭く岩も出ている山道なので、足元や膝下は泥にまみれてしまう。いくつかの小屋があり、おかみさんが種をまいたり、畑を作っているところもあった。

田代から先は至仏山と燧ケ岳を遠方に眺めながら湿原の中を歩く。いわゆる「尾瀬」の風景として知られている写真は、ここから見た風景がほとんどだ。まさに大自然という光景に感激することは間違いないので、尾瀬に来たからにはここまで来なくては本物とは言えないと思っている。
田代十字路からは木道になる。当時の木道は丸太を縦に割っただけのものが下部を浮かせないで置いてあるだけだったので、ほぼ腐っているような状態だった。向こう側から人が来ると、どちらかが湿原に足を入れなければすれ違えないので、木道の両側は踏まれて裸地となってしまっていた。
大湿原を延々と歩き竜宮小屋から竜宮十字路まで進んだ後は木道もなくなるので、人の踏み跡を辿りつつ富士見峠に向かう。このような道の状況や水芭蕉の見ごろが梅雨時であることから、当時は「尾瀬に行くならゴム長靴か地下足袋で行け!」と言われていた。ちょうどこのころからナイロン布製の「キャラバン・シューズ」が人気になり、大勢が履いていたことも懐かしい思い出だ。

1966年当時尾瀬沼の木道

1966年当時 尾瀬ケ原の木道

今回の「沼山峠から尾瀬沼」は1994年の記録を掲載しています。
現在の沼山峠から尾瀬沼を実際に訪れてみて、比較するのもいいですね。
月日が流れても変わらない大自然を目の前に、想いを馳せてみてはいかかでしょうか。
最新の情報、アクセスについては尾瀬沼【尾瀬檜枝岐温泉観光案内所】などをご参考に。

第二回は「中央アルプス恵那山 〜紅葉前線を追いかける〜」です。次回もお楽しみに。

植物図鑑
山野草の種類も充実! 気になる植物は『みんなで作る植物図鑑』で調べよう!

ガーデンセンサーライト特集

日本クロストラスト
当サイトは 日本クロストラスト(株) の認証を受けています。