冬の寄せ植え

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planting of winter冬の寄せ植え

・スキミア ラブラブ(November 26, 2013)

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(スキミア’マジックマルロー’)

冬の苗物で、一番重宝な品種といえば、もう、私は迷いなくスキミア! 仕事の場面で、冬に間違いのないコンテナを作るなら、絶対にコレです。お安くはないので、予算のしばりさえクリアできれば。

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昨日は、私のデザインするショップにも、冬の寄せ植えをセッティング。これはあちらのブログにも書きましたが、渋谷でビルの谷間だと、南向きだろうが北向きだろうが、方位に関係なく日当たりの悪いことに替わり無し。
なので、パンジーとかストックとか、シクラメン、いずれも見事な開花は期待できないのです。
このあと、ビルの谷間を風が吹き抜けて寒くもなるでしょうし。
となると、店の飾りは、スキミア以外考えられません。なので、夏はベゴニアか、インパチェンス系、冬はスキミアという結論なのです。

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今から20年近く前、イギリスに住んでいたころ、真冬のロンドンには、あまり見るべき植物がなく、ほとんどはツゲかアイビーなどの常緑植物で、色彩に乏しい状態が続きました。

冬のウインドウコンテナを飾る植物は常緑の緑のみ。場所によっては、シクラメンもありましたが、よく見かけるようになったのは最近の温暖化以降のこと。少し春が近づけばスイセンやパンジーなどの色彩が加わるものの、冬はほとんど色彩がなかった。それというのも、今はちょっと違うかもしれませんが、1週間でも2週間で太陽が出ることはなく、夜明けも遅く日暮れも早いために、まあ一日中まっくら。ほとんど光合成ができない植物は、色彩を帯びる余地が与えられず、日本では冬もたくさんの花をつけるパンジーは、むしろイギリスでは春から夏の植物だったことを思い出す。パンジーは耐寒性があるので、「ウインターパンジー」なる言葉は存在したものの、地面にうずくまるように首のすくんだパンジーが黒っぽい葉群だけを見せて生きていたことを思い出します。だから、東京に帰ってから、パンジーが冬の間よく開花するのに驚いたものです。

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(ロンドンでの寄せ植え、スキミア’ルブラ’らしき株に手前の赤いのがスキミア’テンプテーション’、そしてカルーナ。

それほど色彩のない冬のコンテナに、唯一赤みを帯びたツボミをびっしりとつけて窓辺を色どるスキミアが 実にチャーミングでした。

この植物の良いところは

日陰で元気。(冬は日なたも大丈夫だが、夏は絶対に日当たりでは夏越しできない)

生長が遅いので、同じ様な姿でまとまる。分岐の枝の行儀がよくて剪定しなくてもこんもり。

冬の間は、寒さ乾燥に強い。箱根ではマイナス5度を下回ることがあったが、元気でした。まるで造花のごとし。 でも、北海道では難しいと聞く。イギリスやオランダの冬はこれ!

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また最近は改良された品種がたくさんでてきて、基本的にシックな色彩ではありますが、私はこの地味さが好きなので、やはり愛する。彫刻的な美は何にも勝る。

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これは、グローリアスという品種で株が大きく背も高いので、存在感があり、彫刻的。
最初に登場したマジックマルローと比べると違いがよくわかりますよね。

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うまくすると、地植えで大きく育ち、冬の間かわいいツボミが目を楽しませる。

スキミアは、Skimmia japonica 。日本の植木屋さんの圃場の滅法暗い日陰の片隅でミヤマシキミという名前で植わっているのを見つけることがあるのですが、これがまたえらく地味に扱われて。

私は何度かそれを選んでデザインの現場に植えてみるのですが、オランダ産の園芸種のような美しい花はなかなか見かけないのですが、その後、どうなっちゃったか。だから、やっぱりオランダ産の園芸種のほうが決定的に美的かもしれない。

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こんな株になったら素敵。

来年2014年の園芸ガイドで、スキミア特集の寄せ植えをするため、大量の寄せ植えの制作が始まりました。また、12月の箱根星の王子さまミュージアム、今年最後のガーデニングワーク(12月16日)でもたくさん植えるスキミア。オランダからの空輸株たちの開梱にひとりでまる一日かかって、今、吉谷は自宅に到着した大量のスキミアっ子たちをどんな寄せ植えにするか、毎日眺めてニヤニヤしているところです。

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また、栽培のコツや、寄せ植えのコツなども、書いていきたいと思います。
冬は、スキミアの専門家になりたいと思う吉谷であります。いかなる園芸家も、一種か2種でいいから、その栽培には、滅法詳しい栽培家でいたいものです。私は夏はサンパラソルがナンバーワンで、冬はスキミアになりたいと思うし、みなさまも、自分の絶対得意分野の植物があるといいですよね。あなたはどんな植物が絶対品種ですか?

※この記事は2013年11月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


・シクラメンと寄せ植え(December 20, 2011)

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年末の園芸店、いやもう、シクラメン・ピンクの華やかな事。室内用、ガーデン用、わんさと売っていますね。室内用のバラエティも凄いです。私は、好きとか嫌い、ではなく、冬は、仕事の場面でガーデンシクラメンを使うことが多いです。造園現場に寄せ植え撮影など。

1 シクラメンが良いという最大の理由は、華やかながら、片付いて見えること。散らかって見える植物は扱い方がなかなか難しい。オーストラリアの植物はパラパラしてみえるので、まとめ方にコツが要ります。パンジーも品種によってはアッチコッチ向いて困り者。
2 シクラメン。もうひとつの理由は、葉っぱのあり方。↓これは寄せ植えを作った直後の写真ですが、手で葉をわけ茎を上に移動させています。好きな場所に花茎が動いてくれるがいい。数年前、この方法を思いついた時は嬉しかったです。 葉が面を作ってフォルムをしっかりと納めることができるのも良い。花の咲いていないときだって、葉っぱを上手に活かす手がいろいろありそう。葉分けの妙味。

3花の色も形も。丸いのが扱いやすい。尖ってあっちこっち向くタイプは、景色が散らかりやすいので注意が必要。でも、花と茎を自分の思い通りに集めたり、散らしたり、好きなように動かせるので重宝。ただし、今年あたりから見かけるフリル系のガーデンシクラメンも散らかって見えがちなので注意が必要。花として眺めると面白いのに、離れて眺めたり、写真に撮ると見栄えの悪いものもあり。

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さて、12月もついに27日で仕事納めですね。あと、1週間です。私の寄せ植えの撮影は22日で最後、庭のデザインの絵を描く仕事がは年末と正月明けに。もう一息、頑張ろー!
先週は主婦の友社の園芸ガイド来年の冬号で12個制作、ディノス誌のガーデン冊子に大型の4個、セキスイハイム、ハーモネート誌に5個。ここ数日で20点以上の寄せ植えを作った(自分で納得できる完成度で、20個は、かなりキツいのでした)ので、もうしばらくは寄せ植え制作はお許しを。
と、思うのに、園芸店を回ると「おやっ!」と目を見はる新種の鉢物。黒い葉っぱのプリムラや黒い葉っぱ系のハボタンなど、個人的に好きな品種(レアモノ)を見つけると、仕事とは関係なく、個人買いをしてしまいます。これはこれで、自分が癒される。やや矛盾している。

でも、相変わらず、時間ギリギリまで仕事をするので、たっぷりと日が暮れてしまい、現状の写真はありません。撮れたら掲載。さて、↑ の写真は2年前のもの。今作っているものは来年の12月発売。去年の今ごろ作ったものは、今月発売というわけで、最新物が掲載できず、恐縮です。此のハンギングは上を明るい(軽い)色、下を暗い(重い)色で、左明るく、右暗く。色の濃淡で立体感や安定感を意識して色選びしています。

さて、何がいいたいかといいますと、自分が好きだと思うものを自分が楽しむ分には、好きにすれば良いのですが、仕事となると、第三者の評価が大切です。好きなものだけでは❌。大体暗いのはNGの傾向あり。いかに暗い色でもある種の華やかさ(オーラのある寄せ植え)を演出できるか。

その点、ピンクや赤は間違いなく華やかな作品が作れます。シクラメン・ピンクは、色のインパクトがあり、そこをうまく使いこなすことがポイントだと思います。だからこそ、シクラメンのピンクの発色、青系〜黄色系、濃い〜薄いの選び方も微妙な違いから選ぶことがポイントかと。

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この写真も2年前のものですが、ここ数年の、もっとも好きな寄せ植えパターンが、色彩の系統を統一し、フォルム違いの植物を組み集める寄せ植え。手前を明るい色にすべきだったと反省。下の写真を見て下さい。

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作った作品を白黒写真にして確認すると、植物のフォルムの組み合わせが、どこまですっきりと組み合わせられたか、認識しやすくなります。これもちょっと部分的にゴチャゴチャ感がありますね。手前を白に近いピンクにすればよかったのにと。そうすれば立体感や遠近感がもっと際立ったはず。
そして、似た様な形の植物が混ざり合うとウルサイ感じになる。ではどうすれば、すっきりと納められるか。
ベスチャトーさんがよくいう「Eye stopping plant」を必ず入れることと、それを引き立てる脇役をどう入れるか。ここでは、ラナンキュラスが [E.S.P] 広いサイズの庭でも、同じことが言えます。私はよくギボウシをそれに使います。日向でも...。でも冬に消えるので困る。やはりベルゲニアはよい。

冬の寄せ植え、今はパンジー以外にも、シクラメン、ハボタン、プリムラなど、いろいろな品種で楽しむことができるし、東京の気温なら、これから4月までずっと観賞できる。夏の寄せ植えよりも、手間少なく長く楽しめるので、自ずと力が入ります。それだけに失敗はしたくないと思うのです。

ここ数年の気分では、12月の時点であまりにも冬っぽい色彩で作ると、春になって場違いな雰囲気がでること。なので、12月でも、ウォームピンク系で暖かな色なら、引き続き、飽きずに春まで楽しめてお得です。

※この記事は2011年12月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


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