好きな色-グリーン

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Green好きな色-グリーン

・好きな色-4 グリーン(Aguest 14, 2010)

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目に見えるもののなかで、もっとも印象(ファーストインプレッション)の強いのも色彩。雰囲気を醸し出すのも先ずは色で、形や質感はその次。事件の犯人逮捕でも犯人の服の色が目撃者の最初の証言になりますよね。

数年前、ロンドンのスローンストリートを歩いていたら、6〜70代とおぼしき、くすんだ金髪のマダムが、颯爽と向こうから歩いてくる姿に目が釘付けになった。先ずに目に飛びこんできたのが、マダムの手に軽々(本当は重いはず!)とさげられていた抹茶色のバーキン。その後、目に焼き付くというのはまさにあのこと。で、あの抹茶色はなんという色なのか。それを調べよう!と先ず、闘志がわいたのはいうまでもない。アニスグリーンでもないし、シャルトリューズでもない。直後スローンストリートのエルメスに飛び込んだが、同じものが揃っているわけがない。

お店の人と回りくどい英語で随分話し込んだ末に、関係ない焦げ茶色のジョッパース(乗馬ズボン/履きごこちは夢着心地)を購入。(衝動買いではなく、最初から乗馬ズボンを買うつもりで向かったのでご心配なく)で、くだんのバッグの色はおそらく、ヴェール・ヴェロネーゼ(ヴェローナの緑色)という名前らしかった。グーグルで調べるとその正体がわかるかもしれない。(注:は虫類の色出しではなく、レザーの色)それでこれに近い色のものが身近にないかと調べたが、ない。他の持ち物で撮影してみたけれども、どうもチープになってしまい、写真は割愛、想像におまかせしたい。その後、伊勢丹のエルメスで発見したが、発見したからといっておいそれと買えないのが悲しいところだ。ただ、眺めて目の肥やしにするがよろしいと思う。上記写真は話と関係なくロンドンのガーデンショップの展示。きれいな色出しをしていて感心した。この色合わせにより、商品効果がアップしてみえる。

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ヨーロッパにいて、色のことだけにフォーカスして眺めていると実にいろんな緑色の存在することがわかる。日本にも古来、美しい染色があったはずだが、戦後日本の色彩感覚はアメリカ的な化学染料に駆逐された感がある。

現行に生きている色(売られているペイント)で、ヨーロッパ人の表現によるグリーンほど、幅広い色もない。フレンチグリーンは少し青みがかった深緑、ブリティッシュグリーンなら茶色がかった深緑、アイリッシュグリーンは明るめの黄味がかった緑色。オランダで買ったのは、ホランド・グリーンで、やはり青っぽい濃緑だった。ラテン語で緑のことをヴィリディスというが、ヴィリディアンと名の絵の具は濃くて美しい透明感のある緑色だ。イタリアの緑は、シエナ、フィレンツェ、ベネチアと行く先々で色味が変わる。それだけをコレクションしても面白い。
テレベルデ(緑の土)という顔料は、本当にイタリアの緑色の土。素晴しいセージグリーンであります。上記の写真はコッツウォルドのストーンハウスにて、オーナー夫人のシャツの色も彼女の自宅のペイント色もともに素敵。ちなみに我が家北側のフレンチウインドウの窓枠も同じセージグリーンでペイントしたのだけれども、ニュアンス、ペイントの厚みが違うせいでこちらのほうがリッチに見える。そうだ、重ね塗りをしよう!

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緑の溢れるベランダに、我が家のキッチンはもっとも近い場所でありたいと、キッチンの雑貨も緑色のものを集めるようにした。 また、その時々に手に入る花をあしらうと、それがよく似合った。

ということで、人間も緑色を来ていれば、どんな庭を訪ねてもその場所によく似合うはず。日本人として妙に浮いて目立ちたくなかったので、英国在住時代から努めて緑色の服を着ることに余念がない私だが、緑色なら何でもいいということでもない。

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今、一番心惹かれるのは、少し濃いめの萌葱色とでもいったらいいのか。フランス語だとヴェール・ティユール、菩提樹色とも?少し明るく彩度の高いライムグリーンのような黄色味の強いグリーン。これは、日本人の黄色い肌色を映えてみせてくれる色だと思う。色白の方ならどんなパステル色でも似合うけれど、浅黒く日焼けした私の顔に似合う色は、少ない。日本のファブリックメーカーは、洋服でも、インテリアカラーでも、もっと心が釘付けになるような見事な色出しをしてくれたら、もっと欲しいと思うものもあるはずなのに、中高年女性むけのファッション誌は相変わらず黒や茶ばかり。もっときれいな色を提案してほしい!

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そして、80歳まで生きられたら、赤い色を上手に着こなしたいなあ。ベスさんみたいに。明日は赤系統の色の話。

いつも、暖かいコメントに励まされています。ありがとうございます。


・好きな色-8 エメグリ(Aguest 21, 2010)

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青に黄緑の混ざったブルーグリーン。地中海をイメージするようなエメラルドグリーンに近い色で、ちょっとくすんでいて、どちらかといえば、南仏の田舎でよく見かける色。これまた彼の地の風土と深い関係があるように思う。ヨーロッパのペイント屋さんも、南仏とか地中海の空や海の色に限りなく近い色を色出ししようと試行錯誤したに違いない。そして、この色の洋服を見つけるとこれまたどうしても欲しくなり困ったものなんです。

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と、いうのもこの色、どうも日本の風土に映えない色であり、わたしら黄色人種よりも、白色人種で金髪のマダムに一層似合う色なんじゃないか。わかっちゃいるが着用しているわたしはちょっと無理をしているかもしれないけれども、南仏だからこその胸あきね。(ひんぱんに自分が登場するのはどうかと思うのだが、他の方の肖像権を考えると、勝手に自分の顔がブログに掲載されるのは不快だろうし、いちいち本人に了解をとるのも面倒、ということで許していただきたい。掲載しても怒らないだろうと想像できる方が時々登場するのも許されたし)この写真を撮ってもらったのは、去年のプロヴァンス、3年前にハワイのニーマンマーカスで買ったエメラルド色のカフタン。実は、日本ではほとんど着用のチャンスなし。
ハワイ、およびバカンス先で服を買うのは実に危険きわまりない! かなり冷静かつ客観的にならないと、日本では着ないタイプの素敵な服を買ってしまう。タンスの肥やしを、わざわざ海外に買いにでるのは懸命ではない。ただこの服は一度だけ、夫と六本木のビルボードのライブ、いわばナイトクラブに行った時に着た。それは、感激のスティーリー・ダン の初ライブだったが。私たちは子どもをどこかに預けて出かけるのを好かないので、この10年で滅多にない夜の外出だった。

(海の写真は、何度かシュノーケリングに通ったハワイのハナウマベイ、ハァ行きたい!)

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話が横道にそれましたが、いくら好きだと思っても

「風土に合わないことは、根付きにくい」すべての事がそうでしょう。
また、風土にあわないものを持ち込んでも、現地で眺めたようには美しく見えないし快適ではない。庭やインテリアの文化は、特に特に。

この写真は冬の早朝、ロンドン、ピカデリーにあるリッツホテルのダイニングに朝の光が差し込んだところ。一人旅をしていて、虚ろな北国の朝の光がまったりと射した瞬間、このエメラルド色がこのうえもなく美しく感じられた。

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この色、宝石にはある色だが、植物にはない色だ。エメラルド色の花なんて見た事ない。でも植物界で雰囲気が近いのは、ホスタ ’ハルシオン’ 灰色+エメラルド で、これ以上に美しい葉の色を知らない。自然界の色出しは凄いのであります。永久に真似ができませんが、このエッセンスだけは魂に刻んでおきたい。そして、ありがたいことに、この植物だけは日本の庭にも良く似合う!フウチソウなどを横に植えるととても映えるんだ!これが。

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Hosta
'Halcyon' 



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