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吉谷桂子さんのガーデンライフキーワード

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・ドローイング@国際バラとガーデニングショウ(January 27, 2014)

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けさ、今年の国バラのデザイン画が仕上がりました。徹夜というわけではないけれど、だいたい、この手のドローイングは三日間かかる。はあー、出来上がって開放感。デザイン画は、まだ発表前なので、全貌が出せず残念ですが。助かったのは、宅急便TODAY サービスの存在です。今の時代、凄いですよね。朝5時までにコンビニに持っていくと、その日のうちに配達されてしまう!凄い時代です。(すべてのコンビにではないらしいので、ご確認を)

実は、今日が第16回国際バラとガーデニングショウのデザイン画の締め切りでした。先週から仕事の合間でずっと描き続け、夕べ、日曜日が最後の詰めでした。でも、朝から午後2時まで子どもの学校の行事、帰ってきたら午後4時だったこともあって。ついに、夕方の宅急便の最終時間に合わなかった。間に合わなかったら、明日は、ビズの編集部に届けなくちゃならない。そう思いつつ、ちょっと調べてみたんです。朝5時までに入校できるこれ!急ぎの原稿などは、これが便利ですね。原画じゃないとどうしても色彩の調整が難しいので。

今回の、第16回のショウの構成は、今まででも、一番難しかったです。はっきりと、誰もが知ってるテーマがあるので、自分の好きにするというデザインではなく、そこが、難しいのです。

これは、数年前の、第13回のショウ。自分で決めた自分のデザインです。自由に、手に入りそうな植物を知った上で絵にします。

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いわば、好き放題のデザイン。ダイソンさんの扇風機も入ってもらった「ウインド・ガーデン」です。

でも、今、まさに、庭のデザインをしていて、絵を描くことの大切さを感じるのです。絵に描いた餅。問いう説もあるのですが、絵にしないと材料の集めようもない。

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他者に見せるという点では、デッサン力がないと、バランスやコントラストなどの美を表現しにくいし、上っ面ばかりはきれいな感じの作品しか作れない。でも、大切なのは「デッサン力は大切だ」と、気づいて、研究したり邁進することなのだと思います。

私にしても、絵がさしてうまくないことは認める。でも、常にもっとうまくなりたいと思っていて、そのための努力は時間の限りずっとしてきました。今後は、子育てが終わったらもっと絵を描きたい。

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でも、デザイナーの仕事はすべて、第三者にどんなものが完成するのか、わかるようにするのが大事だし、それには、デッサン力がものをいう。と、そのことに気づいて努力すると、絵は前の自分より、必ずうまくなる。と、思うのです。
でも、絵が苦手な人でも、素敵な庭を作る方は沢山いらっしゃいます。でも、年々努力は、すれば実る。絵の場合は、本当にそう思います。それと、デザイン画の場合は、それほどうまくなくても、わかりやすいというのも大事。出来上がりの感じが第三者にわかることが大事で。
私もそれほど、うまくないけれど、わかるようにというのを強く意識しています。

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去年の国バラのデザイン画は、ペネロペ・ホブハウスさんに見せるということで、わかりやすさを大事にしました。植栽の意図がわかるようにと。同じ形の植物を隣に植えないなどの実際のイメージも。

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実は、もうひとつあったデザイン。これを描くだけでも三日かかっているのでボツになって悲しかったです。

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最初の下書き。絵を描くというより、この地面に自分が立って考える。ここにこれを植えて。なので、完全にこのときは、サマセットのティンティンハルに立っている感じでした。心が完全にあっちに行って描いたのに、無かったものになったんですから、寂しいですよね。

でも絵は、ひたすら描くこと。描いて描いて、描くと前の自分よりはうまくなっている。(と、信じる)

勉強の直線コースは、名画を模写。私は、中世の古典技法を模写したり、自分が最高のドローイングだと思う先生の絵、私の場合はデューラーを模写したりトレースしたり。
実際に教室に行ったり先生についたりするのも確実でしょうが、描きたい絵を模写するところから始めてみるのがおすすめ。

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20年前に私が描いたボロンツィーノの模写。光の反射や遠近感など、さまざまな表現法が、勉強になります。美術学校に高校大学と7年も行っていたのに、教えてもらえなかったことを本物の絵から教えてもらった。

とにかく、絵がうまくなるには、うまくなりたい!っと思って、模写やトレースが、いちばん早い練習法です。

さて、第16回国際バラとガーデニングショウの コンテストガーデンの募集が始まっています。私も審査員として、今年で16回目の参加ですが、デザイン画をちゃんと描いて欲しいのです。コンセプトだけでもだめだし、実施可能かどうかを審査員に理解させるための資料も必要です。実際にどんな花が植わるのか、植えたい花の絵も入れておいて欲しいのです。

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最近はパソコンで描かれた絵も増えてきたし、それも良いけれど、あれは、(花なら何でもいい感じの)花の表現がイマイチなのが、私的にはどうも。でも、まずは、イメージのわかる絵を。実際にどんな庭になるのか、わかる絵を。でも、絵は稚拙でも「ハート」や情熱が絵にほとばしっている表現もあって、それに惹かれるときもある。なので、やはり、頑張ったな。というのは、伝わります。

ただ、いずれにしても、バラとガーデニングショウでは、色彩豊かな花の庭が求められているので、緑だけの庭も、本当はいいものですが、花のガーデンショウには、少しでも、美しい色彩豊かな庭が望ましいのです。次世代が育つことを祈って、ふるって、ご参加を!

※この記事は2014年1月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


・植栽設計(January 31, 2014)

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昨日一昨日、静岡県 はままつフラワーパークのボーダーガーデンの現場工事でした。
一昨日は首尾よく晴れましたが、昨日は雨で厳しい一日でした。

去年の秋に始まったデザイン作業。植栽設計の基本案から始まって、百種類以上、1万鉢以上の苗を、限られた時間で植え終わるために、綿密な設計図を完成させなくてはならなかった。

現場は10人体制で植栽に及ぶとして、これが現実問題、図面通りに配置して済むとは限らない。

で実は設計当初から100種/1万株使うと決めていました。それが、時間をかけるほどに、いっそう増えていた。品種や株数が増えるほど、植栽は複雑になるが、その分悩む時間も増える。

効率を考えれば、使う品種は少なめに、悩む時間も省きたいが、悩んだ末にでてくる結論のほうが、きっと濃い内容に昇華していると信じて、少しでもよいものをと願う。

しかし、ここでも「引き算」は大切な課題です。最初は、足しまくって、後で引き算。その繰り返しですね。

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まずは、色彩計画から。入り口は膨張色、中程は引き込まれる縮小色と、豊かなバラエティ・カラーの組み合わせで。

そして、最初の提案のための選択肢は2種類。ミックス・プランティングか、 ブロック・プランティングか。「ミックス」とは、チューリップとワスレナグサ、パンジーを混ぜて植えるようなスタイル。

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「ブロック」は、決めた範囲を同じ植物でまとめていく方法。
上記の黄色い丸の部分は、たとえば.....

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このように、同じ品種を、3株か5株、寄せ植えでマッス(集合)を作る。奇数のほうが、有機的な円や楕円が作りやすい。偶数だと、四角や菱形になりやすい。(ダメというわけではないし、数が増えれば、偶数も奇数も関係なくなる)

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結局、ミックスとブロックプランを混ぜる、結果、いっそう複雑な設計になっていった。

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図面上の配置図の基本線を、あらかじめパークの方で描いてもらう。
何日もにらめっこしていた1/100の図面から、実寸になったサイズを確認。
1月のこの時点で手に入っているのは、全部で6000株。この日の午後よ翌日の午前のみで配置完了とするのが目標だ。(しかし、雨で私の判断力が半減、やり直しも出してしまった、雨の作業はホント。辛いです)

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チューリップとパンジーをミックスにした箇所と同じ品種だけで、ブロック・プランティングしたのは、この白いポットの置いてある箇所。まだこの後、3月入荷の株も植える。次は、3月11日前後で植栽。

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「自然は直線を嫌う」ではないけれども、こうして見ると、パンジーが直線になってしまった部分がある。基本は「ジグザグに配置」と、お伝えするが、これが実はなかなか難しい。

ジグザグに配置した後、次は不規則な三角の連続で繋げていくと「ポルカドット」ができる。公共や公園などの植栽に慣れている方は、びしっと直線で植えるのが非常に巧く、しかも早い。が、「なんとなく自然風」は、感覚的な味が入ってくるので、本当に難しい。

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こちらは、植え終わった個所。そうとういい感じに植えていただいた。皆さん飲み込みが早く、ありがたい。昨日は、雨の中、本当にありがとうございました。
上記個所は、図面でいうと、左端の部分。ここはレモン色のチューリップとパンジーがミックスで咲く個所。
3月20日開幕なので、その開幕時に色彩のある花というと、宿根草の出番はまだ先になります。
3月からゴールデンウィークそして、6月一杯。華やかさを保つ設計です。
(来年の管理のことはまだ決まっていないので、まずは、今年のイベントを見ていただきたいのです)

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計画案と、実際に目の前で生きている植物は、必ずしもイメージが合致しない場合も多いのですが、今回は、どの苗もよかったので助かりました。
しかし、一種類だけ。う〜ん、どうしてくれよう。と、腕組みしてしまった植物があります。去年の枯れ葉をずっしりと残しているスティパです。
「バーナーなんて、ありませんか?」おずおずと聞いてみました。

「ありますよ!」やったー。

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嬉しい返事でした。枯れた葉っぱは勢いよく燃えますが、青葉はそんなに燃えません。
火はすぐに付き、それで、軍手ですぐに消せます。グラス植物の枯れ葉の処理はバーナーがいちばん。

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こんなぐしゃぐしゃのが来たんです。これはつかえない!
最初は、ハサミでちょきちょきやってみてたんですが。右端は、塚本理事長。超現場人間でいらっしゃいます。

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燃やせば若葉を自然な形に残せます。はさみだとどうしても形が残る。

グラス植物の原産地は乾燥していて山火事も多い地域です。で、以前にそれを聞いて、これ、前からやってみたかったんですが、パニカムをたっぷり植えている六本木のミッドタウンでは、消防法などで、バナーはつかえない。

それで、広々とした公園ならではできるかも!と、我が家でも、屋上のパンパス用にこんなバーナー、何度か欲しいと考えてたんですが。

しかし、くれぐれも住宅街では、ご注意を。思いのほかすぐにばあーっと燃え上がります。

フラワーパークでの花博イベント開催は3月21日! みなさまのお越しをお待ちしております!

※この記事は2014年1月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


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