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吉谷桂子さんのガーデンライフキーワード

Designデザイン

・デザインの仕事/ガーデンショウ(January 08, 2011)

写真1

1月下旬からスタートする仙台のガーデニングショウ、先日スケッチが仕上がり、仙台の泉緑化さんに送付。この後、絵をもとにして図面を書いていただく予定です。いつもは指示図面も私が書いて施工の手作業も私が手を入れて関わっていくのですが、今回は、おもにイメージスケッチを描くのが私の仕事。遠く離れているのと、今月はあまりにも仕事量が多いので、実は「スケッチを描くだけ」という条件で参加しています。こうしたスケッチを描くとき、どうやって描くのかと聞かれることがありますが、あらかじめ頭のなかに完成形の写真のような絵(思い出の中で見た実際の画像のような)が出来上がると、それ通りに絵を描きます。

今回は妖精の庭ということで、昨年の「国バラ」のイメージにかなり近い基本があったので、ちょっとそれと似ていますが、妖精の城は国バラのときに余裕がなくてできなかったイメージを加えています。実際の土台は、右上に見えているような鉛筆のスケッチを最初に描いて細密に仕上げていきます。水彩絵の具では出しにくい色味が結構あるので、ファーバーカステル社のアルブレヒトデューラーの色鉛筆で基本の色づけ。仕上げにシュミンケやウインザー&ニュートン、オランダのヴァンゴッホ製の不透明絵の具、ガッシュを使います。これは私が長年絵を水彩スケッチを描いて来た経験で編み出された定番の方法で、比較的短時間に仕上げることができます。昨年、夫が私へのおみやげにパリのセヌリエで買ってきたパステルがどっさりあるのだけれど、まだ使いこなせない。晩年は絵を描いたり手芸をして過ごす人生を夢見ているのだけれども。

写真2

もうひとつは園芸ガイドの手袋につけるイラスト。一度仕上がったものを編集部に送ったら、絵が細かくて印刷できないと戻ってきたので、書き直し中。写真はまだ、その下絵。完成品ができたらみてくださいね!

※この記事は2011年1月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


・庭のデザイン画を描こう(April 08, 2012)

写真5

何事もですが、特に、庭のデザイン画を描くには、集中力が必要です。そのことだけを100%考える自分にならないといけないので、別の仕事をしていて、この世界(絵を描く)に入るには、何日も前から「描くぞ」「描くぞ」と自分を追いやって行きます。なんというのか、魂を入れ変えるのに、時間がかかるというか、心を入れ替える感じというか。数日前、まだ、心は牧野植物園に残っていましたのでだいぶ手こずった。しかし、今回は、高知県で牧野植物園の仕事をしている時から夜は宿に戻ってアイデアスケッチを溜め込み、総合的にイメージを集約し、そして、この4日間で一気に書き上げつつある!!!帰りの飛行機の中で気持ちを変える努力も必要でした。あーしんどかった。

写真5

以前話題にしましたが、今度仙台市内にできる、長町モールサイド「緑と風のガーデン」のデザイン画です。(すみません、集合住宅じゃなくて、住宅展示場でした)この基本施工は全面的に泉緑化さん。泉緑化さんは今までの実績もあり(泉ボタニカルガーデン一度行ってみたい)、優秀なスタッフもいて、こんなことが可能になった。なので、泉緑化さんの要望や得意な感じを、あらかじめネゴシエーションしながらデザインを組み立て。
実は、実際の施工日が私の別の仕事と重なっており、今回は現場に行けず、デザイン画だけの参加とあいなったという。本来そういう事は出来ないはずですが、泉緑化さんならと。

写真5

で、今月は本当に激しい。バラショウが基本にあるのに、14日に寄せ植えの撮影。17日はたまがわガーデニングクラブ、そして、その直後に20日放送のNHKあさイチガーデニングの寄せ植えの生放送(国会中継がなければ)とその準備に重なっていたもので。スケジュールは、去年の暮れから決まっていたので、もう動かし様がなく。無理な内容の4月となり反省しきり。

写真5

それだけに、デザイン画と指定図はきっちりとしたものでなくてはならない。トレイラージュのデザインをしているのですが、いや細かくて、参った。老眼が始まって、細かい絵を描くのに目が疲れて仕方がない。ここにあるものはすべては、途中まで描き上がったもので、ここまでで3日、あと一日で草花に色を着けて完成ですが、こうした絵には完成がない。描けばいくらでも手が入る。透明水彩で基本を描き、白い花を白く抜きたいと時は最終的に白のガッシュ(不透明水彩を乗せて白にします)さらに、色鉛筆で、微妙な色を乗せ。でも、なかなか思い通りにいかないし、ここにアップしてお見せするには、あまりにもヘタな絵で恐縮なのですが、庭のデザインのここの部分が基本なのだと、私は思っているし。雰囲気が解る絵になることが大事だと思うのです。ホント、絵は私にしたところでイマイチなのは解ってます。(うまかったら、絵描きになってた)

光の画家といわれるフェルメールもレンブラントも、そんなガーデンショウの光のもとで生まれた画家たちなのだ。
観光旅行では飽き足らず、移住を決めた私たち夫婦が住んだのはイギリスだったが、ロンドンに住み最初の数年は古典絵画技法のスタジオに通い、中世以降の西欧古典絵画を模写で学んでいた。未来に残る作品とはどういうことか、その秘密を知りたかったからだ。

そんな折にロンドンでレンブラントの作品と出合った。愛妻サスキアを描いた「アルカディアンコスチュームをまとったサスキア(別名フローラ)」だ。ナショナル・ギャラリーの有名なレンブラント・ルームに展示されていた。そこで、キアロスクーロといわれる自然光線の効果を用いたレンブラント作品に魅了された。いわゆるレンブラント・ライトといわれる、斜め上45度の角度から射す光で描かれた作品である。
私の模写は、描き始めてから3ヶ月ほどで完成したが、その間、キャンバス地も油彩の油も顔料も、すべては17世紀と同じレシピで制作する。模写自体は、美術館のオリジナルや複写印刷物を見ての制作となるが、作品を描く想像の心はこの絵の描かれた1635年当時のレンブラントのアトリエを探っていた。
この絵が描かれた空間と時間に射している光、明暗のコントラストは超現実的に美しいが、この眺めは実際に存在したはずだ。新婚まもないサスキアが、花の女神の衣装を着けやわらかな微笑みをたたえている。

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絵は描くほどに少しづつ上達するので、どうぞ、みなさん、庭のデザインをする時は、うまいヘタに関係なく、一生懸命に絵を描くつもりで、描いていくと良いと思うのですが。どうでしょうか? いつも感じるんです。どうも、庭のコンテストの審査員をしていると、描く事を「最初から諦めている絵」が多いように感じるので。どう描いたらよいのか、解らないときは、描きたいと思う植物のスケッチをたくさんすることも大事で。そうすることで、植物のアートフォームを発見するし、似た様な植物を隣同士に植えないほうが絵になりやすいとか。いろいろな事もわかってくるのです。

写真6

またこの絵が完成し、世の中にこの絵の完成図が印刷された頃にでも、絵の仕上がったものと描くことの大切さを書きたいと思います。寄せ植えを作る前も、スケッチを描いてから始めるとまた全然違います。
やろうと思わないことには始まらないので、少しづつでも絵に関わって欲しく思って。

※この記事は2012年4月に書かれたものです。文中のイベント、雑誌掲載の情報等は終了しておりますのでご注意ください。


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