1. 第2回 点・線・面

ガーデンデザイン講座

第2回 
点・線・面

まずは「プランツエコロジー」。
庭の植物が元気に育つよう、あなたの庭の環境にあった植物を選ぶという、庭作りの大基本を押さえたら、次はいよいよ庭のデザイン開始!

ただし、実際のガーデン・デザインの手順でいくと、その庭のサイズに応じて平面図を作ることから始まり、通路、花壇などの相対的なレイアウトに入るのだが、ここでは、それぞれのプランに当てはまるディテールの話をひとつづつスタディするのでご了承を…。今回は花壇の植裁及び庭全体の眺めを構成する際の、私が、もっとも大切にするポイントのお話。これは例えば、畳一畳分の広さのベランダガーデンにも応用の利くアイデアなので、皆さんの庭作りの参考にしていただけたら幸い。

そもそも、タイトルの「点・線・面」とは、どういうことか。字面を見ただけで、ご想像いただけたかどうか。ちなみにこれは、美術の基礎教育に登場する、画面構成法の概念のひとつ。確か、造形教育の第一人者ヨハネス・イッテン大先生の金言だったかと記憶する…。

しかし、私が庭を作り始めた当初は、美術学校の学生時代に学んだはずの「点・線・面」のことなど、まったく意識せずに、庭には好き〜な植物だけを植えていた。園芸店を訪ねる都度、気に入った植物を無計画に購入し、花壇のあいている隙間にどんどん埋めていったのである。

その結果、気が付いたら似たような形の植物がゴチャゴチャと集まって、庭の眺めが、散漫で落ち着きなく感じられた。そこには、偶然集まった小さな葉っぱや花たちが点々とあるのみで、かしましいことこの上ない。
「どうして、私の庭はこうなるの?」
「どうしたらもっと、絵的にさまになる庭がつくれるの?」
腕組みをして対策を考えるうち「!」思い出した。大先生の金言を…。

ビジュアル・デザインの基礎構成をする際に「点・線・面」と、異なる造形を組み合わせて、落ち着いた画面、落ち着かない画面をつくる、などというレッスンを学生時代にしたことがあったっけ。あれは、大学時代ではなく、高校時代だったかもしれない。まあ、そんなことはどうでもいいや。それを画用紙の上ではなく、庭に応用してみるとどうか。

細かな葉っぱや花を「点」、美しいラインを描くグラス類の植物やフェンスを「線」、大きな葉っぱや植木鉢、その他のオブジェクト及び背景を「面」と捉えて、自分の庭に何が足らないのかを考証してみるのである。

そのときの我が庭は大小の点だらけで、実に単調であった。まるで、好きなものばかりを食べて栄養が偏ってしまった病人のよう。そこで、ごく客観的に「線」や「面」を感じさせる植物を積極的に配置することに…。

すると、どうであろう。今まで単調に感じられた庭の眺めに、ダイナミックな強弱、あるいはリズム感が生まれて、遠くから眺めたときも絵になる景色に、本当になっちゃったのである。

なにもそれは庭でなくても、一つの植木鉢の寄せ植えにも通用するアイデアだと思う。 ここでは、ニューサイランで「線」、マリゴールドやキャンドルフラワーの花で「点」、黒っぽい葉っぱのリクニスで「面」を意識して組み合わせてみた。

この体験で、庭は好きな花だけを集めても絵にならない。庭の植裁、景観の基本は、実はフォリッジ(葉群)で作りあげるものだ。ということがわかったのは、われながら収穫であった。 あとは、バランス良く、それぞれの植物を組み合わせていくことが課題であるが、まずは、植物の世界においても、大小の「点・線・面」があるというところから意識して、あなたも、ご自分の庭を再点検されてはいかがだろう。

我が庭の花のないフォリッジのコーナー。 ホトトギス(左上)とシネラリア(右下)の葉で「面」、メギ・オーレア(左下)で「点」、ヤブラン「右上」で「線」を構成。 また、ここでは葉っぱの色以外に、その質感の違いも一役買っている。

このページのTOPへ

バックナンバー

ガーデンセンサーライト特集

日本クロストラスト
当サイトは 日本クロストラスト(株) の認証を受けています。