モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

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庭を彩るカラーリーフたち

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)
モミジ
(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)
[学名] Acer Palmatum
カエデ属カエデ科  落葉高木

‘金隠れ’=イロハモミジ‘金隠れ’春の美しさは格別。秋はもうひとつですが…。 葉の付き方が整って空間がまとまりやすい。

秋本番の11月。台風の心配も一段落といえるでしょうか。 今年は人間も植物も自然の猛威にさらされ、ストレスの多い秋でした。それでも、さまざまな植物が本格的な秋の装いをまとい美しい季節、紅葉(コウヨウとも読むし、モミジと読みますね)の季節です。紅葉を鑑賞するため、野山を訪ねることを「もみじ狩り」といいます。英語では「メープル・ヴューイング」。晴れた日に、赤や黄色に色づいた自然の姿に出会うと思わず歓声がもれます。

さて、私の住む西東京の紅葉の本番は11月の後半ですが、東北地方はすでに美しい紅葉が始まっていることでしょう。また、同じ地域でも植物による個体差や昼と夜の寒暖差により、紅葉が楽しめる時期も品種も微妙に異なります。今年はどんな紅葉が見られるでしょうか。楽しみですね。

前述の通り、モミジといえば、日本の代表的な秋の紅葉樹ですが、一番のスターがヤマモミジ系(原種)のイロハモミジでしょう。ヤマモミジに対して園芸種のイロハモミジは春の芽だし時期の美しい品種が多く、秋の紅葉は真っ赤になる品種、黄色くなる品種、ただ単に枯れて茶色くなる品種とさまざまなので、すべてのモミジが紅葉するわけではありません。

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

花と組み合わせるのに、大きな葉、小さい葉以外に、レースのような刻みの入った葉の質感が庭のデザインに重宝する。ベニシダレモミジ

英国の庭では春から秋まで、カラフルなフォリッジガーデンに欠かせないカラーリーフの植物として、定番的の植物です。庭の空間を効率よく埋めてくれます。

雨が多くて、日本ほどには強い日射のない英国の庭で、葉焼けの心配もなく長い期間そのフォリッジの美しさを楽しむことができるジャパニーズ・メープルは欠かせないのです。

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

紅葉が実に素晴らしい秋が楽しみなカエデ。

モミジはカエデ属です。カエデ属は世界中に約150種あります。この機会に、魅力一杯のカエデ属にもふれておきたいとおきたいと思います。

カナダのメープルは有名ですが、今は日本でも流通し、人気のあるのが、ノルウェーカエデ(アーケル・プラタノイデス)‘クリムソンキング(銅葉)’、‘プリンストンゴールド(ライムイエロー葉)’、‘ドラモンディ(白斑)’、斑入りの葉が美しいネグンドカエデ‘ハナチルサト’、ネグンドカエデ‘オーレオマルギナータム’、春と秋の赤い葉が美しいベニカエデ‘レッドサンセット’、グリセウムカエデの紅葉は光の加減で輝くような真っ赤になります。その他にも、まだまだ紹介しきれないほどの品種がたくさん。ぜひとも皆さま、この時期に興味をもってカエデ属全般を観察していただけたらと思います。

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

ベニシダレモミジでレースのような葉の合間から強すぎる色調の花を透かし見るためのアレンジ。

さて、モミジの話に戻ります。私達がよく知るモミジは日本〜韓国、中国が原産地です。

現在は日本で手に入る園芸種が約200種前後といわれ、江戸時代にはその倍以上の園芸品種があったといわれます。18世紀後半に英国からやってきたプランツハンターたちが、日本のモミジの園芸品種を見て、さぞかし興奮し、たくさんの種類を持ち帰ったであろうことは想像がつきますね。

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

手前に明るい色の花、中央のダークな葉色のモミジによって、空間の遠近感を出している。

現在のイングリッシュガーデンで活躍しているのが、アーケル・パルマツム‘ディセクタム・アトロプルプレウム’などを筆頭としたジャパニーズ・メープルです。

私もその影響でか、日本原産で安心して使えるこのイロハモミジを、各種の庭のデザインに使ってきました。特に好んで使うのが、ベニシダレ(‘紅枝垂’、またの名を‘手向山’、‘羽衣’)です。枝が横に張るのを利用して、庭をふんわり、こんもりと、銅葉のかたまりで埋めると、他の植物とのコントラストでお互いが美しく引き立ちます。

モミジというと「和風の庭の樹木」という固定観念を抱きがちですが、そうした観念を取り払い、美しい樹型、葉の質感と色彩、環境適応性などの点で見事に優秀なモミジを、ぜひぜひ洋風のガーデンつくりにも取り入れていただけたらと思います。

モミジ(イロハモミジ・ジャパニーズ・メープル)

‘金隠れ’を花の景色にアレンジ。

その他の情報

  • 見頃と植え付け=春(新芽)、秋(紅葉)。購入する際、園芸品種は春の芽だし期に葉色や幹の形を含めて決めるとよい。寄せ植えにも向いているので一年草の花や低く下垂する宿根草と寄せ植えすると良い。選ぶ際は、葉の雰囲気も大事だが、枝の張り方や樹型のフォルムのまとまりやすいものを選ぶことも大切。コンテナガーデンの場合は、いつでも植え付け可能。露地植えの大きな苗は落葉後に植え付け。
  • 用土=腐植質に富んだ水はけと通気性の良い土。コンテナ栽培の場合は、市販の一般花用コンテナ培養土の土を少し重たくするため、赤玉(中)を3〜4割増しで入れる。植え付けの際、市販の土壌活性剤や珪酸白土などを加えるとなお良い。
  • 施肥=秋、冬越しの準備として表土に完熟堆肥や腐葉土などでマルチング。2〜3月に油かすか有機堆肥。
  • 条件=基本的には太陽を好むが、半日陰も可。夏の西日で葉焼けすることがあるので注意。極端な乾燥を嫌うので、水持ちの悪い土壌や夏は注意。
  • 注意点・その他=それほどの注意はないが、最大の美しさが損なわれるので葉焼けと乾燥に注意。コンテナ栽培なら夏の午後以降の太陽を避ける位置に移動する。夏の高温多湿の蒸れに注意。テッポウムシの害を防ぐため、風通しをよくすること。
  • 剪定=方法は1種類。晩秋に樹型を乱す枝を整理剪定。絡んだ枝、交差した枝、徒長枝、重なった枝、立ち枝など、落葉後は冬の間中、美しい枝ぶりを鑑賞するつもりで枝のフォルムを整える。

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