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吉谷桂子さんのガーデンデザイン講座

第1号:ピクチャレスク・ガーデン(絵になる庭)とは?

「私にとって庭づくりは、木や草花を利用した絵画づくりである」と、英国のチャールズ皇太子が雑誌のインタビューに答えておられた。
なるほどと思った。しかし、その後出会ったさまざまな英国のガーデナーたちも、皆同じようなことを言っていた。実際にどうすれば絵になる庭がつくれるのだろう。

私の7年弱に渡る英国ガーデニング暮らし。そのなかで、庭づくりのコツを彼らから引き出し、私なりに受け止めたヒント集を、これから続くエッセイのシリーズにしようと思う。
なかには、受け売りもあれば、青春時代に7年間通った美術学校で学んだことがそのまま庭づくりにも活かせること、実際に自分で庭を作っていてわかったことなども織り交ぜられている。皆様のお役にたてればとても嬉しい。



さて、私が心酔する英国の園芸家、ペネロピ・ホブハウス女史が、自著「ガーデンスタイル」の中で「ガーデニングは世界中から集めた植物の集合する芸術である」と述べているように、庭ではさまざまな種類の植物が調和し、美しい眺めとなることが理想だ。まずは、植物あっての庭だろう。


ペネロピ・ホブハウス女史の庭
植裁といい、構造といい、パーフェクトに完成している
ペネロピ・ホブハウス女史の庭。


なるほど、それには頷けるけれども、実際に自分たちの住む住空間でそれを実行しようにも、どこから手をつけたらよいのか、初めの一歩の見当がつかない。そう思われる方も少なくないはずでは?

そこで、もうひとりの英国を代表する園芸家、ベス・チャトー女史を、彼女のイーストサセックスにある庭を訪ねて、絵になる庭創りのコツを伺った。

「大切なことは、プランツ・エコロジーを良く知ることよ。
 植物ってまったく融通の効かない生き物。
 人間が決めて植えたり置いたりした場所から、
 暑くても寒くても乾いていてもびしょびしょでも、
 自分では勝手に移動するともできない。
 だから人間のほうで、
 その植物が生まれた原産地や、好む光や水の量を知って
 彼らが満足するような環境を整えてやることが大切なのよ。
 園芸店では多くの場合、
 花の名前と値段くらいしか表示していないから
 プランツ・エコロジーをしっかり把握して購入する必要があるわ。
 そして、あなたの配慮によって植物が元気に育てば、
 あなたも植物から元気がもらえるし、
 庭は自ずと絵になっていくはずよ」

ベス・チャトーさんの秋の庭
英国一のプランツ・ウーマン、ベス・チャトーさんの秋の庭。
枯れても美しい。

なるほど、これならどんな狭い庭でも、応用の効くヒントになりそう。だって、どんなにおしゃれな植物や、高価なガーデンファニチャーを庭に配しても、そこで育つ植物がシオシオだったら美観もなにも...。
第一、ガーデニングをするのは、ただ単に絵になる庭が欲しいのではなく、毎日の暮らしで花や緑を眺め、元気な花や緑から元気をもらって気持ちよく暮らしたいから。また、そこに友達を呼んで自慢したりお茶をのんだり、したいことはたくさんある。
だからまずは、プランツ・エコロジー、庭の植物が元気に育つよう、あなたの庭の環境を良く知り、そこにあった植物を選ぶところから始めよう。
さて、その上で、絵になる植物の構成テクニックは、いよいよ次回のお楽しみ。

吉谷桂子のバラのある暮らし

第2回≫


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