ギボウシ
[学名] ギボウシ Hosta
ユリ科、ギボウシ属
寄せ植えにするときもギボウシを主役にして・・・
日本原産種も多いギボウシ。我が国が誇る園芸植物といっても良いと思うのですが、残念ながら現時点では、流通する園芸品種の多さでは、イギリスとアメリカに軍配が上がります。ちなみに、イギリスの流通園芸種を数えてみましたら、ざっと700種ほどありました。すっごいですね。負けています。
ギボウシの学名はホスタ。私もホスタのほうが馴染み深い名前なのでこう呼びます。このホスタがイギリスの庭で熱狂的といえるほど愛されている理由は、もちろん、その姿の優美な美しさにあると思いますが、実際にイギリスの気候にもうまく合うのも幸いしています。本当にイギリスじゅうのどこの庭にも、このホスタが植わっているのをみればわかります。
私は14年前、ロンドンの自宅の庭で本格的なガーデニングを始めた初期にホスタと出会い、その栽培の気楽さゆえに、この植物を親友のように感じたものです。ただし雨の多いイギリスでは、ホスタはナメクジの絶好の餌食になることが多く7月下旬になると、よく、葉が穴だらけ葉脈のスジだけになっていました・・・。
私がデザインした香川県善通寺市の児童公園の植裁で、ギボウシが大活躍。
ホスタは江戸時代、シーボルトによってオランダに持ち込まれたのが有名です。文献によりますと江戸時代は今以上に「斑入り葉の植物」が大流行したそうです。そうした珍しい園芸種を、植物探しに日本にやってきたイギリスのプランツハンターが、ホスタの斑入り品種などを見逃すはずがありません。実際イギリスだけでなくアメリカでも人気が高く育種が盛んだと聞いていますが、その後イギリスやアメリカのほうが品種改良の努力が続いたように見受けられます。
ツノみたいな芽がでてきたら株分けし、その後パンジーやビオラを寄せ植えしてみませんか?
さて、3月は気温の上昇と共に、このギボウシが土の中からチャーミングな「鬼のツノ」みたいな新芽を出します。私はこれを発見すると、毎年のように「わ〜い!」と一人庭で叫んでしまいます。これはイギリスでも、日本でも同じ。こうして毎年のように、春は宿根草が地面から顔を出すとホッとしますよね。
植木鉢の中にギボウシとパンジーを横に並べて植えるだけ。5月初旬、楽しい眺めが期待できますよ!注意点としては、乾いたら水やりを繰り返し肥料はしっかり与えて下さい。
そんなホスタの最大の魅力は、その大きな美しい葉です。少し暗い印象のある庭でも白い斑入り種など明るい葉色のホスタを選べば庭は明るい印象になります。また、その大きな葉によって空間をきれいな「面」の固まりで埋めてくれます。空間を「面」で埋めてくれる植物は、庭のまとまりある景観づくりにとても便利です。ほかにヤツデやアオキなどもそうですが、線の細い宿根草やハーブのように花の点や細い茎の線だけで増えていく植物は、案外散らかって見えがちです。大きな葉の「面」ができることにより、庭はちょっと片付いた印象でいてくれますよ。庭の景色がまとまらず悩んでいる方はぜひ、こうした葉の大きな植物を取り入れてみてください。さらに葉が大きいのでホスタのような大きな葉の植わる周辺には、雑草も生えにくいようです。
こうした半日陰〜日陰を好む植物の、葉の大きい理由は、きっと薄日が射すような場所で精一杯に光合成をするためなのでしょうね。狭い庭ほど日陰が多くなるので、そこでも便利な存在です。
ギボウシとパンジーの寄せ植えこれは秋、11月下旬に撮影したもの。こうしておくと、冬の間も、ギボウシの存在を忘れないですみます。
ところで、蛇足ですが、このホスタの花や若葉が、古来日本では食用だったそうな。(私はもったいなくて食べたことがありませんが)ホスタも山菜よろしく食べちゃうなんて、イギリス人が聞いたら悶絶するでしょうね。イギリス人は哺乳類のクジラや馬を食べることも許せないみたいですが、きっとホスタも許してくれないでしょうね。このことは彼らには秘密にしておきましょう!
彫刻的な美しさでガーデンショウでもいつも大活躍です。左右の二つは左から、スジギボウシとオオバギボウシ白覆輪。真ん中のライムイエローは、花の香りが華麗な‘チェルシーオドル’チェルシー薬草ガーデンで、偶然、発見されたレア品種を株分けで増やしたもの。
日本のギボウシの名前は、花の蕾の形が「宝珠」に似ていることから、この名前が付いたそうです。ホスタは葉っぱに注目の植物ですが、すばらしく花の香りの良い品種もありますので、お見知りおきを...。初夏の夕暮れ、ホスタの花の香りが庭に幽玄なムードを放ちます。
- 見頃と植え付け=何といっても春の葉っぱが最高に美しい。春から初夏(4月頃〜8月頃)に白または藤色の花が咲く。植え付けは鉢物ならいつでもできるが、株分けは晩秋か早春がベスト。購入する際、園芸品種は初夏に葉色や葉の大きさ、花の形や香りなど、複合的な要素を見極めて決めるとよい。
- 用土=腐植質に富んだ水はけと通気性の良い土。コンテナ栽培の場合は、市販のものなら一般花用コンテナ培養土に腐葉土を1〜2割増しで入れるのも効果的。植え付けの際、市販の土壌活性剤や珪酸白土などを加えるとなお良い。
- 施肥=秋に、冬越しの準備や芽だし時期、表土に完熟堆肥や腐葉土などでマルチングすると良いが特に肥料をやらなくても元気。
- 条件=基本的には半日陰がベスト。夏の西日で葉焼けするので、夏は日陰になるような木の下などが良い。極端な風や乾燥に注意。ただし黄色い葉のホスタは太陽を好む傾向があり、陽があたらないと緑色に戻る。それでも夏の西日はやっぱりダメ!
- 注意点・その他=とにかく夏の太陽でその美しさが損なわれるので注意。ナメクジに周囲。コンテナ栽培なら夏は日陰位置に移動。春の太陽は大吉。植木鉢で育てている場合は、太い根がすぐに鉢の内側にビッシリと張るので、毎春植え替えし株分けすると良い。



















