この映画がどういう映画なのかといわれれば、暗いとしかいいようがない!
夢も希望もない暗い暗い時代の、決して恵まれることのない家族の話。子供はどんどん生まれるのに、つぎつぎと死んでいく、しかも貧しさで!
そんな厳しさの中で育った、フランク少年が大人になり自伝を書き、ベストセラー、果てはピューリッツァー賞まで受賞した「アンジェラの灰」が原作。
さて、この映画をこのコーナーで取り上げたのは、この映画がアイルランド(失礼かもしれなませんが、イギリスの文化とそれはほぼ同じに見えます。宗教を除いては。)の当時の住宅事情を詳しくおしえてくれるからです。
主人公のフランク少年が、家族を養うために始めた仕事に郵便配達がありました。彼は街じゅうのドアというドアを叩き、人々に郵便を配るのです。門をくぐり、ベルを鳴らし、ドアノッカーでドアを叩き、雨と雲の多い街を駆け抜けていきます。
画面には本当にたくさんの、それぞれ装飾を施されたドアや門やノッカーが次々と現れます。当サイトの「随筆通信」で、吉谷桂子さんも言っていたように、日本と違ってデザインも持ち味もさまざま。本当に多種多様な、細部にも心配りする文化が垣間見えます。
話自体は暗くて、つらくて仕様がないのですが、このデザインを勉強するためだけでも見る価値があるかもしれません。
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